当クリニックでは、血管に関わる病気の診断・治療を日本脈管学会認定脈管専門医が行っています。
下肢静脈瘤とは
ふくらはぎや太ももに血管が浮き出ているのを見たことがありますか。この太ももからふくらはぎにかけて多く見られる青く浮き出た血管は、静脈が拡張してできたもので、下肢静脈瘤と呼ばれています。これは、静脈にある弁が壊れることで血液が逆流し、足の血管が瘤のようにふくらむなど、様々な症状があらわれる病気です。症状には、むくみ、足のつり(こむら返り)、かゆみ、痛み、重さ、だるさ、湿疹、色素沈着、潰瘍などがあります。
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静脈血栓症(深部静脈血栓症)
足の静脈の壁が炎症を起こして血液が固まったり、同じ姿勢を長時間保ったことから足の静脈の流れが滞って、血栓ができる病気です。エコノミー症候群(ロングフライト症候群)もこれにあたります。
血栓が大きくなる場合は血液が流れなくなり、失神やショックなどを引き起こす可能性があり、倦怠感や動悸、冷や汗、不安感などを引き起こすケースもあります。
原因不明の場合も珍しくなく、加齢も原因のひとつと考えられていますが、高齢者だけでなく若年者に発生する場合もあります。膠原病やベーチェット病との関連や、生まれつき血液が固まりやすい先天性凝固異常症も多く見られます。また、深部静脈血栓症は、左脚に症状が出やすい傾向があります。
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閉塞性動脈硬化症
動脈硬化によって、足の動脈が狭くなったり詰まってしまうのが閉塞性動脈硬化症です。
歩いているうちに足が痛くなり、休まないと歩けなくなる間歇性跛行(かんけつせいはこう)が特徴的な症状となっていますが、他に、足先が冷たく紫色に変色する、潰瘍ができるといった症状が現れる場合もあります。
閉塞性動脈硬化は、血液検査や血管造影検査を行って病気の程度を診断し、内服薬や手術療法(血管内治療、バイパス術)などで治療を行います。
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バージャー病(ビェルガー病)
閉塞性動脈硬化症と似た症状を起こしますが、原因はまだ不明であり、喫煙との強い関連性が指摘されており、歯周病との関連も研究が進められています。
四肢の末梢動脈が狭くなり、虚血(きょけつ)とよばれる局所的な貧血が起こります。症状が軽い時には、冷感やしびれを感じ、手足の指先が変色するレイノー現象が現れることもあります。虚血が進むと四肢に潰瘍や壊死が起こる可能性もあります。
リンパ浮腫
子宮がん・乳がん・前立腺がんなどの手術や放射線治療でリンパ節が切除されたり、機能を失った場合に現れます。足・かかと・脚部・手の甲・腕が腫れ、手足のだるさや疲れが起こります。
痛みや色の変化などはあまりありませんが、しびれなどを感じる場合があり、女性では月経時に悪化することがあります。
外傷後浮腫
怪我や手術後に現れる浮腫で、炎症や患部の循環が悪くなることが原因です。痛みなどの症状はなく、触るとブヨブヨ柔らかい感じがします。
レイノー症候群
レイノー現象は、その原因となる基礎疾患があり、二次的に起こる現象です。基礎疾患には、動脈硬化症・バージャー病・動脈血栓症・片頭痛などがあります。
レイノー現象とは?
冷水を使用した時など、寒冷にさらされた手や指、足や足の指は発作性に真っ白になります。典型的な場合には、その後、青又は青紫色に変化し、さらに赤くなっていくといった色調の変化を生じます。こうした色の変化に伴い、冷たく感じる、しびれや痛みがある、チクチクとした刺激があるなどを感じる現象を指します。
レイノー病
基礎疾患を持たずにレイノー現象が現れた場合、レイノー病と呼ばれます。症状が悪化することは少なく、検査での異常もほとんど見られない病気で、20歳前後の女性に多い傾向が見られます。